ポキッとなる股関節
「歩くと股関節からカクッと音がする…」
「足を上げると、ポキッと鳴って気になる」
「運動中に鳴るけど、痛みはない。これって大丈夫?」
こんな症状、感じたことはありませんか?
「股関節が鳴る」という現象は、医学的には「関節雑音(joint noise)」や「スナッピングヒップ症候群(Snapping Hip Syndrome)」と呼ばれています。
多くの場合、痛みを伴わないために放置されやすいのですが、なかには筋肉のバランス異常や軟部組織の摩擦などが関係しており、放置しておくと将来的に関節障害や股関節痛を招くリスクもあるのです。
股関節は体の中でもっとも大きな関節の一つ。日常動作、歩行、立ち座り、階段の昇り降りなど、常に使われている関節だからこそ、少しの違和感でも見逃せません。
この記事では、
・股関節が鳴る原因
・病的なケースとの違い
・予防や改善に役立つケア法
・整体でできるアプローチ
を、論文や解剖学的な根拠をもとにわかりやすく解説していきます。
骨盤が広い女性に多い
整体に訪れるお客様の中でも、「股関節が鳴って不安」というご相談は多く、とくに女性に多い傾向があります。これは女性の骨盤構造や筋肉のつき方、関節の可動域の広さも関係しています。
「鳴るのは癖だから仕方ない」
「鳴っても痛くなければ大丈夫」
…そう決めつけてしまう前に、身体の中で何が起きているのかを知ることはとても大切です。
股関節が鳴る原因とセルフケア
■1. 股関節が鳴る原因とは?
◎物理的な原因:気泡の弾ける音
関節内の液体(滑液)に溶けているガスが弾けることで生じる「キャビテーション音」は、ポキッという音の正体の一つ。
これは指を鳴らす時と同じ原理で、一般的には無害とされています。
◎筋肉や腱の摩擦:スナッピングヒップ症候群
以下のような軟部組織が骨に引っかかることで音が鳴ります。
- 外側型スナッピングヒップ:股関節の外の軟部組織が太ももの骨を乗り越える(腸脛靭帯が大腿骨大転子を乗り越える)
- 内側型スナッピングヒップ:股関節前の筋肉が太ももの骨を擦れる(腸腰筋が大腿骨小転子を擦れる)
- 関節内型スナッピングヒップ:関節唇損傷など、関節の袋の内側要因
このうち、外側型と内側型は運動時に股関節が引っかかるような感覚を伴いながら音がすることが多く、痛みが出る場合は注意が必要です。
◎骨の変形や関節の異常:変形性股関節症や臼蓋形成不全
長期間放置していると、股関節周囲の筋肉や軟骨にストレスがかかり、やがて関節の形状に変化が生じることがあります。これが変形性股関節症などの慢性疾患につながるケースもあります。
■2. 鳴る音は放置していいの?
基本的に、
- 音だけで痛みや可動域の制限がない
- 日常生活に支障がない
という場合は、負担はかかっているが今はそれほど心配はいりません。しかし、早く対処をしていかないと筋肉や骨に負担がかかり、痛みや変形などのリスクがあります。
以下のような症状がある場合は、注意が必要です。
- 音と同時に鋭い痛みがある
- 引っかかるような感覚や脱力感がある
- 片側だけ頻繁に鳴る
- 歩行に違和感がある
これらの症状がある場合は、医療機関での検査や、整体でのバランス調整を受けることをおすすめします。
■3. 予防と改善に役立つセルフケア
◯腸腰筋ストレッチ
腸腰筋(大腰筋・腸骨筋)は股関節を曲げる時に使われる筋肉です。
ストレッチで柔軟性を高めると、引っかかりやスナッピングが軽減されることがあります。
【方法】
片膝立ちになり、前方の足に体重を乗せるように股関節を伸ばす。
右を伸ばす場合、左足を前にする。
◯腸脛靭帯ストレッチ
外側が原因のスナッピングが軽減されることがあります。
【方法】
横向きで寝て、太ももの外をストレッチポールで伸ばします。
◯姿勢・骨盤の歪みを見直す
上記の腸腰筋や腸脛靭帯のかたさは骨盤の傾きや高さを変え、股関節の鳴りの原因になり得ます。
日常の姿勢や歩き方の癖を見直すことが大切です。
当店では姿勢だけではなく、重心や歩き方の癖もわかります。
良くするためには状態を知る必要がある。
楽盛堂では、Ken Yamamoto Technique(KYT)を用いたアプローチを行っています。
KYTは、関節を理想の状態に整え、筋肉のバランスを調整することで、本来の可動性と安定性を引き出す整体法です。
股関節の鳴りを引き起こす
- 骨盤の歪み
- 腰椎や仙腸関節の機能低下
- 骨のねじれやズレ(力のかかる方向が正しくない)
- 筋肉の緊張や弱化
など、全体のバランスを評価しながら施術を行います。音そのものを消すというよりは、「鳴らなくてもよい状態に体を整える」ことを目的としています。
また、ストレッチや姿勢改善のセルフケア指導も行っております。
こんなになってたら注意
こんな方におすすめです。
- 股関節が鳴ることが習慣化している
- 運動中や歩行中に引っかかるような違和感がある
- 痛みはないけど、将来が不安
- 整形外科では「異常なし」と言われたが気になる
- 股関節や骨盤の歪みが気になる
年齢・性別問わずご相談いただけますが、体の柔軟性と筋力のアンバランスからくる股関節の音に悩む方が多い印象です。
ひとりで悩まずに相談してください。
股関節の鳴りは「身体からのサイン」です。
放っておいて無理な使い方やバランスの悪さが積み重なると、将来的な股関節障害につながる可能性も。
まずは現在の状態をチェックしてみませんか?
ご予約・ご相談はLINEまたはWEBからいつでも受付中です。
痛みが出る前に、動きやすく整ったカラダへ。