肩が鳴ることは悪いのか?
「腕を回すと肩がポキポキ鳴るんです…」「痛みはないけど、このままで大丈夫?」
そんなお悩みを抱えていませんか?
肩関節の“音”が気になるけれど、病院に行くほどでもない…。けれどやっぱりどこか不安。そんな声を聞きます。
実はその“ポキッ”“ゴリッ”“コキコキ”という音、医学的には「関節音(joint sounds)」や「クレピタス(crepitus)」と呼ばれる現象で、音の種類によって原因が異なります。
「音が鳴るだけ」なら様子見でも良いケースがある一方で、「痛みや可動域制限を伴う音」は、何らかの障害が隠れている場合もあります。
このブログでは、論文や解剖学的知見に基づき、
・肩が鳴るメカニズム
・危ない音と安全な音の見分け方
・対処法や予防のポイント
について詳しく解説します。
鳴りやすい状態
実際に整体の現場では、「肩を上げると音が鳴る」「痛みはないけど、ずっと続いて心配」という方が来院されます。
特に30代以降のデスクワークや子育て世代、スポーツ経験のある方などに多く見られる傾向があります。
・肩こりから慢性的に動きが悪くなっている
・巻き肩や猫背で肩甲骨の動きが悪くなっている
・筋力のアンバランスで軟部組織に負担がかかっている
といった状態の方が、肩関節周囲に異常音を感じやすいというデータもあります(Yamamoto et al., 2020)。
「実は私も鳴るんです…」
「朝のストレッチで、いつも肩から音がする」
そんな方は、この記事を読むことで「なぜ鳴るのか」「どこまでなら安心なのか」が分かり、不安が軽くなるはずです。
鳴る原因
■ 肩関節が鳴る3つの主な原因
① キャビテーション音(関節内の気泡破裂)
いわゆる“ポキッ”という音の多くは、「キャビテーション」と呼ばれる現象で、関節内にある滑液(関節液)に生じたガス(主に二酸化炭素や窒素)がはじけることで起こります(Unsworth et al., 1971)。
これは痛みがなく、一時的な音であれば病的なものではないとされています。指や首の関節で鳴るのと同じ原理です。
ただし、なにかしら負担がかかっている可能性があります。
② 摩擦・インピンジメントによる軟部組織のすれ音
肩関節は非常に可動域が広く、筋肉・腱・靭帯など多くの軟部組織が複雑に関わっています。
肩を動かしたとき、
・腱板(ローテーターカフ)の腱が骨と擦れる
・肩甲骨と肋骨の間で摩擦が起きる
といった機械的な摩擦による音が生じることがあります。
この場合、「動かすたびにゴリゴリと音がする」「動作によっては痛みがある」などが特徴で、肩関節周囲炎やインピンジメント症候群の可能性が考えられます。
③ 筋肉・腱・靭帯の弾き音
肩を回したとき、「コリッ」「パキン」という音がしても、その正体は筋や腱が骨を乗り越える瞬間の“弾き音”であることが多いです。
例:
- 上腕二頭筋長頭腱が結節間溝を乗り越える音
- 肩甲挙筋や肩甲下筋が肩甲骨と擦れる音
これも痛みが伴わなければ問題ないことが多いですが、頻繁に鳴る・不快感が強い・可動域が狭くなった場合は要注意です。
こうなったら要注意!
■ こんなときは早めの対応を
次のようなケースでは、放置せず一度専門家に相談してください。
- 音と同時に痛みやしびれを感じる
- 肩の動きが悪くなってきた
- 夜寝ているときにも肩がうずく
- スポーツや育児など負担が大きい環境にある
- 他の関節にも同じような違和感がある
慢性化することで四十肩・五十肩のような拘縮性関節炎に進行するリスクもあるため、「今は大丈夫」でも注意は必要です。
■ 整体でできること
整体では、
・肩関節周囲の筋肉の柔軟性回復
・肩甲骨の可動域改善
・体幹や骨盤との連動性の調整
・姿勢改善による根本アプローチ
といった多角的な視点からアプローチを行います。
とくにKYT(Ken Yamamoto Technique)では、肩のみにとらわれず、腰や骨盤、股関節との連動に着目した施術を行うことで、理想の骨格の位置になり、肩のみの施術よりも症状の再発を防ぎやすくなります。
放っておくことのリスク
すべての肩関節の音が悪いわけではありませんが、「なんとなく不快」「ちょっと気になる」を放っておくと、後に後悔することも少なくありません。
✅ 痛みがないけれど気になる音がある
✅ 姿勢が崩れてきた実感がある
✅ デスクワークやスマホ時間が多い
✅ 運動不足を感じている
こういった方は、早めに自分の体をチェックし、身体の使い方を見直すチャンスとして捉えてください。
肩の負担が続いていると腱板断裂、五十肩、インピンジメント症候群などの要因になる可能性があります。
早めの対応ですぐ回復
「肩が鳴るだけだから…」と放置する前に、一度専門家にご相談ください。
悪くなってからのケアでは時間もお金もかかります。
そして痛い状態での生活は大変です。
楽盛堂では、
🔹 根本原因を特定する検査
🔹 オーダーメイドの整体施術
🔹 ご自宅でできるセルフケアの指導
を通して、皆さまの「音のない快適な肩」をサポートします。
肩の音が気になる方は、ぜひ一度お気軽にご相談ください。
あなたの体からの“サイン”を見逃さず、健康な関節を保ちましょう。
■ 引用・参考文献(一部)
- Unsworth A, Dowson D, Wright V. (1971). “Cracking joints. A bioengineering study of cavitation in the metacarpophalangeal joint.” Ann Rheum Dis.
- Yamamoto A, Takagishi K, et al. (2020). “Shoulder crepitus and pain associated with glenohumeral disorders.” J Shoulder Elbow Surg.
- 日本整形外科学会(2022)『肩関節の音と痛み』
もっと詳しいことや、セルフケアについて知りたい方は、お気軽にお問い合わせ・ご予約ください!