その肩の痛み、「腱板損傷」かもしれません
朝、洗顔のとき。夜、服を脱ぐとき。
ふとした動作で肩にズキッと走る痛み。
それ、もしかすると「肩腱板損傷」のサインかもしれません。
「四十肩や五十肩だと思って放っていた」
「痛みは一時的なものだと思って我慢していた」
このような方が多くいますが、腱板損傷は放置すると悪化し、手術が必要になることもある肩の疾患です。
特に40代以降の男女や、スポーツ・肉体労働をしている方に多く発症します。
医学論文・解剖学を基にした、肩腱板損傷の本質的な理解と対処法をご紹介します。
「ただの肩こり」と思っていました
「肩が痛い」と感じたとき、多くの人はまず「寝違えたかな」「肩こりかも」と軽く考えます。
けれど、ある方が夜間痛(夜、痛みで目が覚める)や、腕が上がらない状態が続き、病院でMRI検査を受けた結果
「腱板損傷。断裂の一歩手前」と診断された。
正しいリハビリと生活習慣の見直しを続け、手術を回避。今では日常生活もスムーズに送れています。
ただの肩こりだと思っていたら悪化し、手術しなきゃいけないくらいの状態になってしまったのです。
「早期発見・早期対応の重要性」を感じました。
肩腱板損傷の正しい理解と、回復のステップ
■ 腱板とは何か?
肩関節は、「上腕骨」「肩甲骨」「鎖骨」で構成されており、球状の腕の骨が肩甲骨のくぼみに嵌まることで自由に動く構造です。
その腕の頭を安定させながら動かすために存在するのが、「腱板(けんばん)」と呼ばれる筋肉と腱の集まりです。
腱板は以下の4つの筋から成り立っています:
- 棘上筋(きょくじょうきん)
- 棘下筋(きょくかきん)
- 小円筋(しょうえんきん)
- 肩甲下筋(けんこうかきん)
簡単に肩まわりの筋肉だと思ってください。
これらは共同で肩の安定性と回旋運動を支えています。
■ 腱板損傷の種類
腱板損傷は、大きく以下の2種類に分けられます。
- 腱板炎(tendinitis)・部分断裂(partial tear)
- 完全断裂(full-thickness tear)
特に多いのが棘上筋の損傷で、転倒やスポーツ中の外傷、高齢による変性(老化)で発生します。
■ 腱板損傷の主な症状
- 肩の前面・上部に痛み
- 腕を上げられない(90度以上上がらない)
- 夜間痛(寝返りで痛む)
- 力が入らず、物が持てない
- 「カクン」と落ちるような脱力感
ポイントは“痛み”だけでなく、安定性や動きなどの“機能低下”が同時に起こることです。
■ 診断方法
診断には以下が使われます:
- 問診・触診・徒手検査(ドロップアームテストなど)
- 超音波検査(エコー)
- MRI検査(高精度で断裂範囲が分かる)
中でもMRIは腱板の断裂範囲や状態を可視化できるため、最も信頼性が高いとされています(Orthop Clin North Am. 1997など)。
整体とセルフケア
腱板損傷の治療法は、大きく保存療法(手術以外)と手術療法に分かれます。
■ 保存療法(軽度〜中度)
- 炎症期(痛みが強い時期)
- 安静、アイシング
- 消炎鎮痛薬(NSAIDs)
- 回復期(動かせるようになってきたら)
- ストレッチ、可動域訓練
- 肩甲骨や体幹の安定性を高める運動療法
- 姿勢改善や関節の位置調整を行う整体
整体では、肩関節だけでなく頚椎・胸椎・骨盤の動きも重要視されます。
なぜなら肩の可動性は、全身のアライメント(配列)に強く依存するからです。
Ken Yamamoto Technique(KYT)では全身を整えます。
■ 手術療法(重度・完全断裂)
- 関節鏡視下腱板修復術(ARCR)
- 入院+リハビリで約3〜6ヶ月
※すべての腱板損傷が手術になるわけではなく、痛みと機能障害の程度によって判断されます。
こんな方は要注意
以下のような方は腱板損傷のリスクが高いため、早期対処が大切です。
- 40代以上で腕が上がらない・痛い
- 過去に転倒やスポーツで肩を痛めたことがある
- 夜間痛があり、寝返りがつらい
- 肩甲骨の動きが悪く、猫背気味
- 肩をかばって首や背中も痛くなってきた
まずは専門家に相談を
「ただの肩こりだと思っていたけれど、腱板損傷かも?」
そう思ったあなたは、ぜひ一度専門の整体や整形外科に相談してみてください。
当サロン【楽盛堂】では、Ken Yamamoto Techniqueをベースに、全身のバランスと動きから肩の悩みにアプローチしています。
あなたが「快適に過ごす毎日」のために、専門的な評価と施術をご提案します。